人生のバイブル探しシリーズ始めました!
ついに三十路を迎えました。
自分としては『一つの大台に乗ったな。』といった気分ですが、人生の先輩から言わせれば『まだまだこれから!』とのこと。
人生100年時代と言われる現代では30年なんて確かにまだまだだろう。
だけれども、やっぱりここまでしんどいことだらけだったのですんなりと『まだまだこれから』という言葉を飲み込めてはいませんでした。
しかしながら、ある本との出会いでその考えはすっかり抜けてしまいました。
奇跡のリンゴ 著=石川拓治
何となしに野菜を育ててみたくなったのでお手本になりそうな農業書を探していた。
どうせなら変わったことがやってみたいと思い、常識的には難しいリンゴの無農薬栽培に成功した木村秋則さんに取材した内容をまとめた『奇跡のリンゴ』という本を買ってみた。
正直、失敗したと思った。読み始めても一向に栽培方法の話が出てこない。
この本は農業書というより木村秋則さんの人生譚だった。
文章の読みやすさと「買ってしまったのだからもったいない」という気持ちが手伝って、とりあえずは読み進めていたのだが、あまりの内容の良さに目が離せなくなる。
物語はインタビュアーからみた木村さんの印象を中心に始まっていく。
周りの人がつられてしまうような明るさを持った木村さん。
そのような明るさを持った木村さんですが人生は困難の連続でした。
木村さんの暮らす地域はリンゴで生計を立てる農家が多く、あちらこちらにリンゴ畑が点在する地域です。
リンゴは害虫や病気が付きやすく農薬を使いながら栽培するのが一般的で、当然周辺の農家にとっても当たり前のこと。
そのなかで無農薬栽培を始めた木村さんは周囲から奇異の目を向けられることになります。初めての取組である無農薬栽培はうまくいくはずもなく、木村さんは家族を貧困に落とすこととなり、周りも目線をより厳しいものとなっていきました。
そんななかでも挑戦をあきらめなかった木村さんはある経験きっかけに無農薬栽培を成功させることとなったのです。
この辺りから本のなかで無農薬栽培のノウハウにも少し触れていきますが、私個人として感銘を受けたのは木村さんの人生観の変化と周りの方の支えでした。
この本で学べるのは『人は一人では生きていけないこと』
ありきたりな言葉ですが、この本を読めば言葉の重みがより深いものになります。
そして『自然のサイクルと人間の共通点』にも気が付くことが出来ます。
絶望の淵に落ちた木村さんが見出した『希望』と『絶望の中でもすでにあった希望』に気づいていく流れは、満足をできない人生を歩んでいる自分が今ある希望に目を向けるきっかけをくれたような気がします。
そしてこの本は同じように人生に満足できていない方に是非読んでもらいたいと思いました。
どうせ生きてしまうこの人生を少しでも明るくするためのバイブルとしてお勧めします。
奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫) [ 石川 拓治 ] 価格:649円 |
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